この映画はジャーナリスト石井光太が実際に目撃し、取材した事実に基づいて出来ています。東日本大震災が起きてから十日間、岩手県釜石市の遺体安置所を舞台にした真実の映画です。報道では伝えきれなかった事実を映し出します。
映画から伝わる強い想い
以下、公式サイト「遺体 〜明日への十日間」より
君塚良一監督
この映画はすべて事実に基づいています。モデルの方やご遺族の方々にお会いしました。取材ではなく、「こういう映画を作ろうと思いますが、どう思いますか」という事を気持ちだけで聞きました。もしひとりでも映画化に反対の意見があれば、それはやめようと思っていました。震災から半年くらいの時期でしたが、みなさん疲れている感じや、ニュースも徐々に減っていき少し孤立した感じもうかがえました。ますます「風化させてはいけないな」という思いありました。
この映画を見ていると他の映画にはない気迫を感じます。現地で起きた真実を伝えなければならないという使命感の様なものです。その強い使命感はカメラに映らないスタッフからも気として出ているような気がします。君塚監督が映画を通して伝えたかった想いは、モデルの方やご遺族の方々の理解と協力があってこそだと知り、映画に関わった方々の深い絆を感じました。
知られざる事実
皆さまは遺体安置所での出来事をどこまで想像できるでしょうか。この映画は僕の想像を遥かに超えるものでした。次々に運び込まれる泥まみれの遺体。ブルーシートや毛布に包まれて無造作に置かれます。地元の医師、歯科医は遺体の身元判明のために働きます。市の職員、ボランティアスタッフは遺体を遺族に返すため、安置所をきれいに掃除します。
西田敏行さん演じる相葉常夫はボランティアスタッフとして遺体安置所で働きます。死体をご遺体と呼び、生きている人間と同じように愛情ある接し方をします。相葉常夫は「遺体とは生きている人と同じように接しなさい。遺体は話しかけられると、人としての尊厳を取り戻す」と安置所のスタッフに呼び掛け、バラバラだったスタッフの心を一つにしていきます。
釜石高等学校での上映会
岩手県釜石市内の釜石高等学校での上映会ではたくさんの市民の方々から感想が寄せられました。「遺体 明日への十日間」公式サイトでご覧になれます。この映画は人々に何をもたらしたかが分かります。