アメリカ人はアメリカを愛しています。韓国人も韓国を愛しています。でも、日本人は、なんだかそうではない。自分の国を愛せなくなってる人、または自分の国をよく知らない人が増えている気がします。僕はそれが悲しくて、日本人に「日本はこんなに誇れる国だ」と分かってほしくて、だからこの本を書きました。
〜「日本人はいつ日本が好きになったのか」竹田恒泰
ここ数年で僕は日本人であることを強く意識し始めました。世界の国々から見て日本はどういう国なのか。世界の人々から見て日本人はどう見られているのか。そして日本人である僕が、日本と日本人をどこまで知っているか。考えるきっかけは東日本大震災とたくさんの邦画です。
東日本大震災では日本人の持つ思いやりが強く現れました。そして冷静に絶える日本人の強さに心を動かされました。僕も被災地へ泊まりで行きましたが、皆さんの元気な姿に驚きました。逆に励まされ、優しくされ、パワーをもらいました。優しくされたら優しくしてあげる。それこそ絆を生み出す原動力だと思いました。
邦画でも日本人の美しさに触れることが出来ます。特に1960年代の作品や小津安二郎監督の作品は大好きです。日本の古き良き時代と言いますか、多くを語らないところが好きです。繊細な気遣いが随所に見え、家族想いの登場人物はみんな美しくみえます。
僕が日本人であることを意識し始めた時、この本に出会いました。
日本人が日本という国をどう見ているのか
この本は最初のページから引きこまれました。受け入れたくない統計結果(震災前のもの)が書かれていたのです。「もし、戦争が起こったら国のために戦うか」「あなたは◯◯人であることにどれぐらい誇りを感じるか」この二つの質問に対して日本人の愛国心がない結果が出ていました。順位は32カ国中最低と言ってもいいです。
一方「世界に良い影響を与えている国」での統計では、世界中から最もよい評価を得ているのです。日本が人気のある国だということがわかります。
日本は世界中から良い評価を受ける人気のある国。にも拘らず肝心の日本人からは愛されていない結果でした。
日本を変えたGHQとWGIPとは
日本人が愛国心を失ったのはいつからか。なぜ失ってしまったのか。本書は非常に深く掘りさげて書かれています。
GHQとは
連合国軍最高司令官総司令部(れんごうこくぐんさいこうしれいかんそうしれいぶ、聯合国軍最高司令官総司令部、連合国最高司令官総司令部)とは、太平洋戦争(大東亜戦争)の終結に際してポツダム宣言の執行のために日本において占領政策を実施した連合国軍の機関である。ただ、「連合国軍」とはいっても、その多くの職員はアメリカ合衆国軍人とアメリカの民間人、少数のイギリス軍人やオーストラリア軍人などで構成されていた。極東委員会の下に位置し、最高責任者は連合国軍最高司令官(連合国最高司令官)。日本では、総司令部 (GeneralHeadquarters) の頭字語であるGHQや進駐軍という通称が用いられた。支配ではなくポツダム宣言の執行が本来の役目である。〜Wikipediaより
WGIPとは
ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(War Guilt Information Program、略称WGIP、ウォー・ギルト・プログラムあるいはウォー・ギルト・インフォメーションとも)とは、太平洋戦争(大東亜戦争)終結後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP、以下GHQと略記)による日本占領管理政策の一環として行われたとされる、戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画。〜Wikipediaより
戦時中の日本人の愛国心はもの凄いものだったと思います。愛国心はアメリカにとって脅威だったかも知れません。理由は特攻隊です。国のために突撃する特攻隊を目の当たりにした米兵は、その姿を見て涙を流しました。ショックからノイローゼになり、帰還させられた兵士も多かったそうです。
終戦後、アメリカはこの愛国心から生まれる精神的武装を解除しようとします。そしてGHQの取った政策は見事に成功したと言われています。その影響は70年近くたった今でも残っています。
「もし、戦争が起こったら国のために戦うか」「あなたは◯◯人であることにどれぐらい誇りを感じるか」この統計結果が物語っています。