生まれて初めて芝居をした時のことです。相手役に向かってセリフを言った時に違和感を感じました。自分の口から出た言葉ではない気がしたのです。その気のない、気持ちの入っていない感じです。その後に続くセリフも全て違和感を感じました。これが棒読みなのか?と思いました。当時はわからなかった原因と改善策について書きます。
Wikipediaより
棒読みとは
演劇などの台詞を感情や抑揚を意識せずに台本の文字に従って発すること
なぜ棒読みになったか
人それぞれ棒読みになる原因は違うと思いますが、僕の原因を掘りさげてみます。
- 役がどうしてその台詞を言うか理解していなかった(役がその台詞を言いたくなる理由)
- それにともなって出来る心の流れを理解していなかった(自分の役がどう思ったか、どうしたいか)
- 間を取らずに一定のリズムで台詞を言っていた
- 声のボリュームが一定だった
- 声のトーンが一定だった
- 自分自身が感情を解放するのに抵抗があった
棒読みになった原因は大きく分けて二つあります。一つ目は緊張していたために自分の声を使った表現がまったくできなかったことです。二つ目の原因は役を理解したうえで芝居をしていなかったことです。
棒読みを直す方法
舞台稽古やレッスンでたくさん教えていただきました。
- 相手役をうなずかせる芝居をする(台詞を言う)
- 句読点で十分な間をとる
- 台詞の語尾を自分の言いやすい言い方に変える(練習の段階で)
- 台本にとらわれず、何も考えないでしゃべる
- なるべくトーンを落とさない
- 録画、録音で芝居の確認をする
- 上手な人と芝居をする
- 表情を作ってから台詞を言う(感情がなくても表情を作って言う)
「なぜ棒読みになったか」で書いた、役を理解してあげることも棒読みを直す方法の一つです。理解するとは自分の心に納得させることです。台詞の一つ一つを自分の心に納得させていきます。なぜ、役はその台詞を言うのか考えていきます。そして、大体でもいいので役の気持ちを分かってあげることが大切だと思います。
棒読みになっても面白いと思った理由
棒読みになって、はじめて役と自分の違いを知りました。気持ちの入っていない台詞になってしまったのは、僕の言いたいことではなかったからです。役の言いたいことでした。これが僕の演じる役なのかと気付きました。
人間の生理はとても面白いなと思います。思ってもいないことを言うには嘘を付かなければいけません。嘘を付き続けることは、まさに芝居だと思いました。役者は嘘をついても許され、上手に騙すことができれば感動に繋がる魅力的な職業だと思いました。