初めて台本を手にした時はとても嬉しかったです。一気に演劇の世界に仲間入りした感じがして感動しました。しかし、台本の知識が全くなく、専門用語も使われているため理解が出来ませんでした。そもそも、台本と脚本の違いは?戯曲とは?シナリオとは?そんな疑問に思ったことを書きたいと思います。
それぞれの違い
- 台本とは、上演を目的とされた本です。基本的に台詞(セリフ)とト書きから出来ています。(ト書きとは台詞以外に書かれた部分です。様々な状況や心理などが書かれています。「ト書き」の由来は歌舞伎の台本の「〜と立ち上がりながら」等の「と」から来ているそうです)
- 脚本とは、上演を目的とされた本です。基本的に台詞(セリフ)とト書きから出来ています。脚本を書く人達は主に脚本家と呼ばれています。最終的には評価を受け、映画や舞台などでは脚本賞があります。
- 戯曲とは、上演を目的とされた本であり、その形式で書かれた文学作品です。基本的に台詞(セリフ)とト書きから出来ています。戯曲を書く人達は主に小説家と呼ばれています。
- シナリオとは、映画やドラマの為の台本で、細かくシーン分けしてあります。同じく台詞とト書きから出来ていますが、カメラで撮ることを前提に作られています。
台本と脚本の違いは説明しにくいのですが、普段使用する言葉としては
「台本を役者に渡す」「台本をマネージャーからもらう」と使い
「脚本を役者に渡す」「脚本をマネージャーからもらう」とはあまり使いません。
また
「脚本が面白い」「脚本がいい」と使い
「台本が面白い」「台本がいい」とはあまり使いません。
はっきりとしたお答えが出来ず申し訳ありません。
使う状況や使う人によって異なりますが、必ずそう言わなければいけない決まりも無いようです。
台本の特徴
登場人物の台詞だけ書かれている台本には、小説のような登場人物の細かい心情や物語を美しく見せる表現がありません。なので読む人によって感じ方が大きく変わってきます。台本は作り手によって様々な変身が可能です。まだ調理のされていない素材のように感じます。台本を使ってスタッフやキャストが知恵を絞り、力を合わせて作品を作り上げます。何度も読まないとイメージが具体的にならなかったり、人と話し合うことで初めて理解出来る事があるのも台本の特徴です。ある意味、一人で読んでもわからないことだらけです。なので、独自の役作りが出来たり読み方の工夫が出来る面白さがあります。想像する面白さです。小説とは違い、数人で書かれることもあります。
台本のページ数と時間
映像の台本も舞台の台本も、だいたい1ページが1分(作品の時間)と言われています。なので120ページの台本ならば120分の作品です。僕は舞台しか分かりませんが、シリアスな作品でもテンポの良いコメディでもページ数が作品の上演時間の基準になります。