監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
キャスト:セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、イバナ・バケロ、ダグ・ジョーンズ、アリアドナ・ヒル
製作年:2006年
製作国:スペイン・メキシコ合作
上映時間:119分
あらすじと見所
1944年、スペインの内戦を舞台に迷宮へと足を踏み入れた少女が3つの試練に挑戦するダーク・ファンタジー。非現実世界では気持ち悪くも、かわいい?クリーチャーたちが作り出すファンタジックな世界があります。一方、現実の世界では誰もが逃げ出したくなるような悲惨で不条理な殺し合いが行われる世界です。この2つが混ざったダークでファンタジーな作品は見ていて斬新です。あっという間に不思議な世界へと連れて行ってくれます。殺し合いがとてもエグいので苦手な方はご注意ください。少女の成長を描いた映画ですが、テーマがとても深いところにあり見終わった後は思わず考えさせられます。ラストには色々な解釈が出来るのも、この映画の魅力かもしれません。
不思議な感覚を味わえる映画
はじめて見るタイプの映画でした。痛々しいシーンや残酷なシーンが多くあり目を背けたくなります。挙げ句の果てに気持ちの悪い昆虫や妖精がたくさん出て来て眉間にシワを寄せっぱなしで見てしまいました。しかし、それを含めてこの映画の魅力と感じてしまうところは不思議です。そういう経験も有意義だと思いました。
色々な解釈ができるエンディング
ネタバレになってしまいますが、ラストの解釈には色々あると思いました。この作品は ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。なぜかと言うと主人公のオフェリアは最後死んでしまうのです。死んでしまったオフェリアはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。僕の解釈を少し書きたいと思います。僕は現実の世界(残酷な世界)と非現実な世界(平和な世界)を両方みれた人がオフェリアだと思いました。最後に平和な世界へと行けたオフェリアはハッピーエンドです。現実の世界でオフェリアは死んだあと、光に包まれ月に飛ぶのだろうと予想したのですが、消えることなく死体が虚しく残りました。悲しむ人々を見て、現実の世界はここまで救われないのかと重い気持ちになりましたが、ラストのラビリンスに入る切っ掛けの花を見てホッとしました。現実の世界が苦しくて逃げ出したい人のための優しさを感じ、あの一瞬で救われました。おそらくオフェリアはビダルのもとへ行くことを嫌がり、毎日泣いて、現実から本当に逃げたかったのだと思います。その強い気持ちがラビリンスに入る切っ掛けとなり、救われたのだと思います。なので僕はハッピーエンドに感じました。深い人間ドラマをダーク・ファンタジーで見せられたような気がします。